運送業にとっての重要業績評価指標(KPI)

タクシー業界、運送業など、運送にかかわる業界にとって、経営上、重要なことは何でしょうか?

利益的な観点から考えれば、保有車両の稼働率が重要となることは言うまでもないと思います。

タクシー業界等、お客様が乗車されるのであれば、接客とかも重要となるでしょう。
しかし、運送業にとって根本的に重要なものは、安全です。
タクシーや長距離バスなど人を乗せる場合も、貨物業のようにモノを載せて運ぶ場合も、目的地まで安全に着くというのが、事業の根本です。

事業の根本がそうだとすると、「安全」という項目は、運送業にとって最も重要視しなければいけないものです。

先日、タクシーに乗ったときのことです。

最近は、運転手さんのお名前や趣味などを紹介したものがよく社内に付けられています。

私は、その紹介文をみて、運転手さんとお話しをするのが楽しみです。

「ご出身はどこですか」、「野球がお好きなんですね」といった感じでお話しをしています。

先日、乗車したとき、趣味の欄に「安全運転」と書かれていた運転手さんがみえました。

趣味の欄に、「音楽鑑賞」や「野球」といったものはよくお見かけしますが、趣味が「安全運転」と書かれた方ははじめてでしたので、とても興味を持ちました。

運転手さんのお年は70歳くらいで、タクシーでの運転歴は、40年くらいになるそうです。

私は、運転手さんに「趣味は安全運転なんですね」と話し、運転手さんも「安全運転が趣味なんです」とお答えになりました。

運転手さんに、事故はされたことはありますかと聞いたところ、運転手さんは「40年運転して事故はなかったのですが、先日、駐車していた時にぶつけられました」と言われました。

自動車の運転は、皆さんもそうだと思いますが、自分が気を付けていても相手から巻き込まれたりする可能性もあり、運転をしている以上、無事故は簡単なことではありません。

運転手さんに、素直に質問をしたところ、運転手さんは、2つのことを守っていれば、事故はしないと断言されていました。

その2つは、

1.交差点では、無理をせず、黄色信号で止まる

2.スピードは、制限速度を守る

どちらも、基本的なことで、だれでも守れることです。

しかし、これをやり続けることは、難しいことです。

運転手さんは、これを40年間続けられているそうです。

ときには、急いでいるお客様からは、「なぜ黄色信号で止まるのか、もっと急いでくれ」と怒られることもあるそうです。

しかし、事故をしてしまえば、もっとお客様に迷惑がかかってしまうので、そんなときも、運転手さんは、いつもどおり安全運転をされているそうです。

私は、乗車の直前、顧問先で重要業績評価指標(KPI)について話をしていましたので、安全運転についてのKPIについて考えました。

KPIは、結果を出すためのプロセスに焦点をあて、それの進捗度を見える化するものです。

「安全」の場合、得たい結果は「無事故、事故=0」となります。

ここで、無事故という結果を出すためには、運転のプロセスを考えなければなりません。

プロセスは、

「お客様をのせる」→「走行する」→「止まる」

そして、プロセスの中から、無事故に直結するものは何かを探します。

運転手さんの場合、それは、「黄色信号で止まる」ということと「制限速度を守る走行」だったのです。

最終的に管理したいのは、「事故の数」かもしれまんが、管理すべきものは、プロセスであり「黄色信号で止まる」「制限速度を守る走行」です。

この2つを管理するために、数値化が必要です。

両者とも守れた数もしくは率をして数値化したものがKPIになります。

この2つのKPIが達成されていれば、無事故という自分の力だけでは達成しにくいものまで達成の可能性が上がります。

このように、KPIはすべての仕事に適用することができますので、あなたの会社や仕事でも考えてみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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出身地:愛知県一宮市
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私はお客様である会社様、経営者様、従業員様に本当に幸せになって貰いたいと願っていて、そのためにはやはり「成果を出す」ことが重要です。そして、このお客様への思いと成果が相まって初めて信頼関係ができると思っています。
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