”生産性を上げたい”ということは多くの経営者が考えていると思います。
ここで、生産性を上げるというと、”もっと早くできないか”、”もっと効率よく画期的な方法はないか”と頭に浮かぶと思います。
しかし、生産性をあげるには、ムダをなくすことが効果的です!
このことについて、管理会計の観点から、説明をしていきます。
【ムダを省くことが重要】
日本人は世界的にみても勤勉で、まじめに仕事をしています。
その結果、中国に抜かれたといえども、世界第三位の経済大国です。
しかし、生産性という観点では、まったく状況が異なります。
日本の生産性は、経済協力開発機構(OECD)の加盟34か国中、何位だと思いますか?
なんと、22位には下がってしまいます。
では、日本人が、他の国と比べて、さぼって仕事をしているのでしょうか。
皆さんもお分かりの通り、そんなことは決してありません。
では、なぜ、ここまで生産性が低下しているのか。
それは、ムダが多いのです。
「付加価値活動」と「非付加価値活動」
皆さんの会社で行われている活動は大きく2つに分かれます。
それは、「付加価値活動」と「非付加価値活動」です。
「付加価値活動」とは、「顧客価値」を高める活動で、「非付加価値活動」とは、その逆で「顧客価値」を高めることは関係のない活動です。
「非付加価値活動」こそが、ムダということになります。
営業活動を例にとって説明すると、営業の活動には、「商談活動」「提案活動」「移動活動」「見積書作成活動」「資料作成活動」「会議活動」などがあります。
この中で、「顧客価値」を高める活動、つまり、顧客のニーズを聞いて、そのニーズを満足させる活動は何かを考えます。
上記の営業活動で言うと、「商談活動」「提案活動」などが「顧客価値」を高める活動に当たります。
ここで、「移動活動」は、お客様のところに行くために必要だから、「顧客価値」を高める活動ではないかと思われる方もみえると思います。
ここが重要です。
「顧客価値を高める」ということと、「必要かどうか」ということは分けて考える必要があります。移動活動は確かに必要ですが、移動時間がどれだけ増えてもお客様は喜ぶわけではないのです。
「顧客価値」を高める活動は重要であるにもかかわらず、意外と「顧客価値」を高める活動に費やしている時間の割合は短く、20%~30%という場合もよくあります。
営業の成果をあげるためには営業のスキルをあげることも重要ですが、そもそも、「顧客価値」を高める活動の量を増やしていくことが一番重要なのです。
営業活動の中で、「顧客価値」を高める活動は、「訪問活動」、「提案活動」などになります。
重要なことは、「顧客価値」を高める活動以外の「非付加価値活動」を減らし、もしくは活動自体をやめてしまうことにより時間をつくり、その創出された時間で「顧客価値」を高める活動を増やしていくことです。
また、コストの観点でも、「付加価値活動」であれ「非付加価値活動」であれ、活動をすれば必ずコストが発生します。
ムダなコストとは、成果につながらないコスト、つまり「非付加価値活動」によるコストです。
まずは時間の使い方を分析して、「付加価値活動」と「非付加価値活動」を区別することがとても重要です。
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家田 憲二
好きな偉人:坂本竜馬
私はお客様である会社様、経営者様、従業員様に本当に幸せになって貰いたいと願っていて、そのためにはやはり「成果を出す」ことが重要です。そして、このお客様への思いと成果が相まって初めて信頼関係ができると思っています。
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