前回は、メンバーの目標管理能力を向上させるために、目標設定とアクションプランの設定が必要であることを説明しました。
具体的には、売上や粗利などの財務数値だけでなく、それを達成するためのプロセスに目標を設定することが重要で、その手段としてKPI(重要業績評価指標)を使っていきます。KPI(重要業績評価指標)とは、成果を上げるためのプロセスのうち特に重要なプロセスの進捗状況を数値化したものです。
プロセスを数値化することにより、進捗状況を“見える化”することができ、本人も上司もマネジメントしやすくなります。
☆前回のKPIの事例説明:営業部の例
「アポイント」→「訪問」→「提案」→「受注」
「アポイント」「訪問」「提案」といったプロセスを数値化して見える化したものがKPI(例KPI=訪問数、提案数)
目標設定とともに重要なのが、進捗状況の管理を行うことです。
管理職が、どのようにしてメンバーの進捗管理をしていくかについて説明をします。
【メンバーの進捗管理がなぜ難しいのか】
管理職がメンバーの進捗管理で困っていることを、営業部を例として挙げると、主に以下のようなことがあります。
〇その1・・・月次ミーティングでメンバーから売上や粗利の報告はあるが、なぜ良かったのか、なぜ悪かったのが分からず、翌月の有効な解決策が出ないまま、会議が終わってしまう。
〇その2・・・メンバーが日々どのような行動をしているのかがつかめない。
〇その3・・・メンバーのことを見ている時間がない。
〇その4・・・適切な指示ができない。
上記のような困り事に対して、目標設定で使用したKPI(重要業績評価指標)が、進捗管理にも役立ちます。
営業部のKPIであれば、訪問数や提案数といった指標を用いることで、①の月次ミーティングでの売上の良否の原因がどこにあるのかが分かりやすくなる、②メンバーの行動が“数値”として把握できる、③KPIを集中的に管理することで時間を短縮できる、④訪問数(KPI)を20%増やす等の具体的な指示が出せる。
以上のように、KPIを活用することにより、管理者がメンバーのマネジメントをしやすくなります。
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家田 憲二
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