みなさん
こんにちは。
利益管理は必要であり、とても重要なことです。
利益管理で重要なものは利益率です。利益率には、粗利率、営業利益率、経常利益率などがありますが、限界利益率という利益率も重要です。
限界利益という言葉を初めて聞く方もみえると思いますが、限界利益とは、売上から変動費を引いた利益です。
限界利益=売上―変動費
変動費と固定費
コストは、変動費と固定費に分けられます。
変動費とは、売上の増減に比例して変動するコストで、固定費は売上が増減しても(あまり)変動しないコストです。
一般的には変動費は、卸業であれば商品仕入、製造業であれば材料費と外注加工費になります。
ここで気を付けすべきことは、あまり細かなことを考えないことです。
人件費も売上の増減によって残業代などが変動するから変動費ではないかとよく質問を受けます。
確かに、残業代などで変動する部分もありますが、人件費の大部分は固定的なものが多く、
また、売上と時間が必ずしも正しく連動するとはかぎりません。
理論の限界利益(率)と実際の限界利益(率)の比較分析
利益管理において、理論上の限界利益(率)を算定し、実際の限界利益(率)と比較分析をすることが効果的です。
理論上の限界利益は、製造業であれば、製品の部品構成表などを使って、売上つまり出荷した製品の理論上の材料費や外注加工費がいくらになるかを計算をして、売上から理論上の変動費を引くことで求められます。
この理論上の限界利益(率)と実際の限界利益(率)を比較することで、以下のメリットがあります。
1. 月次の利益率の変動が適正なものかどうか判断ができる
2. 売上の請求漏れを発見できる
3. 棚卸の正確性が分かる
4. 管理者の利益管理能力が向上する
1. 月次の利益率の変動が適正なものかどうか判断ができる
月次で利益率が変動する場合があります。
このような場合、その変動が適正なものか異常なものか判断する必要があります。
利益率の異なる製品の売上構成が変われば、月次の利益率も当然変わってきます。
理論上の限界利益率をだすことで、適性な変動か否かの判断が可能になります。
2. 売上の請求漏れを発見できる
売上の請求漏れが発生した場合、理論と実際の限界利益(率)に差異がでます。
差異の原因を分析することで、売上の請求漏れの発見が可能になります。
3. 棚卸の正確性が分かる
在庫計上に誤りがある場合も、理論と実際の限界利益率に差が出るため、在庫計上漏れなどの発見が可能になります。
4. 管理者の利益管理能力が向上する
管理者が、理論と実際の限界利益の差異の分析を毎月実施することで、利益に対する管理能力が向上していき、どのようにすれば利益を出すことができるかを考えることができます。
また、以上の他にも、限界利益を使うことで、利益計画も立てやすくなります。
売上が増加した時に、変動する費用と変動しない費用が分かれば、売上に対してコストの計画も立てやすくなります。
生産性
限界利益を時間で割ることで、生産性の測定指標にもなります。
理論と実際の限界利益(率)の差を分析することにより、以上のようなメリットがあるため、ぜひ実行してみることをお勧めします。
家田 憲二
好きな偉人:坂本竜馬
私はお客様である会社様、経営者様、従業員様に本当に幸せになって貰いたいと願っていて、そのためにはやはり「成果を出す」ことが重要です。そして、このお客様への思いと成果が相まって初めて信頼関係ができると思っています。
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