みなさん、こんにちは。
働き方改革に取り組まれている企業も多いと思います。
また、時間(残業)を減らさなければいけないが、売上が下がってしまうのは困ると悩まれている経営者の方も少なくないと思います。
時間と売上は、一見トレードオフに見えますが、実際はそうではありません。
業績は従業員一人ひとりの活動により成り立っている
当たり前ですが、業績は従業員一人ひとりの活動により成り立っています。
しかし、会社で行われる全ての活動が成果につながっているわけではありません。
ここで言う成果とは、顧客が満足して対価を払ってくれること、つまり売上につながることです。
付加価値活動と非付加価値活動
会社で行われる活動は、2種類に分かれます。
付加価値活動と非付加価値活動です。
付加価値活動とは、顧客に価値を提供する活動で、非付価値活動とは、顧客価値の向上につながらない活動です。
付加価値活動と言われてもよく分からないと思います。
営業部でいえば、顧客のニーズを聞いて、ニーズに応える活動が付加価値活動です。具体的には、訪問活動や提案活動などになります。
製造でいえば、材料から製品に価値を付加する活動、つまり、(売れるという条件で)加工活動や検査活動などになります。
飲食業でいえば、調理人が材料から料理をつくる活動、心のこもった接客活動などになります。
一方の非付加価値活動は、
営業でいえば、移動活動や(何も決まらない)会議活動、(必要以上の)資料作成活動などになりますが、ここでよく質問を受けます。
移動活動は、移動しなければ訪問できないので付加価値活動ではないかという質問です。
大事なのは、移動自体が顧客に価値を与えているか否かです。お客様にとっては、例え3時間かけて来てもらっても、それで発注しようとは思わないはずです。
一生懸命働いているが成果がでない人は、時間の使い方を振り返ってください。移動活動の割合が多く、商談活動の割合が少なくなっているかもしれません。
製造でいえば、製造したけれでも、最終的にお客様の手に渡らなかった活動は、残念ながら全て非付加価値活動になります。
飲食業でいえば、お客様がいない間の手待ち活動、料理をつくったが失敗してしまった活動などになります。
パレートの法則
パレートの法則(20:80)の法則というものがあります。
売上で言うと、上位20%の顧客が全体の売上の80%を占めるという法則で、パレートの法則を用いて顧客分析をされている会社も多いと思います。
このパレートの法則は売上だけでなく、コストについて成り立ちます。
第一に、業績の90%が業績上位の10%からもたらされるのに対し、コストの90%は業績を生まない90%から発生する。業績とコストとは関係がない。(中略)第二に、資源と活動のほとんどは、業績にほとんど貢献しない90%の作業に使われる。P.F.ドラッカー著、上田惇生訳「創造する経営者」(ダイヤモンド社)
私の経験上、営業部でいえば、付加価値活動が20%で非付加価値活動が80%ということがよくあります。
20%の付加価値活動が成果の80%をたたき出し、80%の非付加価値活動は成果の20%しか貢献していません。
一方、コストについては、活動すれば、付加価値活動であろうが非付加価値活動であろうが、コストが発生します。
つまり、非付加価値活動はコストの80%を占めることになります。
時間を短くして売上を上げるためには
付加価値活動と非付加価値を意識して、まず会社で行われる活動を見直すことから始めてみてください。
そして、非付加価値活動を減らして、それにより創出された時間を使って、付加価値活動を増やしていけば、売上を上げることが可能になります。
つまり、時間を短くして、売上を上げることは決して不可能ではありません。
家田 憲二
好きな偉人:坂本竜馬
私はお客様である会社様、経営者様、従業員様に本当に幸せになって貰いたいと願っていて、そのためにはやはり「成果を出す」ことが重要です。そして、このお客様への思いと成果が相まって初めて信頼関係ができると思っています。
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